臨床検査技師とは?

こんにちは、臨床検査.comです。

2021年4月から臨床検査技師として働いている技師歴2年目の現役の検査技師です。

臨床検査技師と聞いてみなさんはどんな印象がありますか?

臨床検査技師について調べようとしても

  • 企業や病院などの募集や広告しか載っていない
  • 現役の検査技師の発信がない
  • 周りに臨床検査技師について知っている人はいない

という状態で八方塞がりという人が多いと思います。

そんな悩みをもった人に向けて「臨床検査技師とは?」について紹介していきたいと思います。

この記事では

  1. 臨床検査技師はどういう仕事をしているのか
  2. どうすれば臨床検査技師になれるのか
  3. 臨床検査技師はどこで働いているのか

という3点を解説していきます。

臨床検査技師ってどういう仕事をしている人?

臨床検査技師と聞いてあまりピンとくる人は少ないかもしれませんがこういう人って言われるとなるほど!と思うかもしれません。

わかりやすい例だと病院やクリニックなどで

  1. 採血をしてくれる人
  2. 心電図やエコーの検査をしてくれる人
  3. 採血や尿などの検体を検査する人

もちろんすべての検査や採血などの検体採取を臨床検査技師が行っているわけではありません。病院では医師や看護師のイメージが強いと思いますし、実際に患者さんと対面する機会は他職種と比較すると少ないです。

臨床検査技師の仕事は検体検査生理検査の2つに分けられることが多いです。

  • 検体検査生理検査違いとは?

検体検査は患者さんから採取した検体(血液、尿、便など様々)を用いて医師などによりオーダーされた検査項目を測定し結果を出すことが主な仕事です。検査項目によって分野が分かれていてその施設の規模にもよりますが

  • 生化学検査(AST,ALT,GGTなど生化学項目)
  • 免疫血清学検査(腫瘍マーカー,インスリンなどの内分泌検査)
  • 血液学検査(赤血球や白血球の数,骨髄検査など)
  • 細菌(ウイルス)学検査(培養,インフルエンザやコロナ抗原検査など)
  • 遺伝子学検査(遺伝子解析やコロナPCR検査など)
  • 輸血検査(血液型,輸血)
  • 一般検査学(尿、便)

などの分野(部署)があります。

生理検査は患者さん自身が被検者となり検査を(心電図やエコーなど様々)行います。こちらも施設の規模によりますが

  • 心電図検査
  • 超音波エコー検査(腹部、心臓、乳腺、血管など)
  • 呼吸機能検査(肺活量検査など)
  • 神経生理学検査(脳波検査、筋電図検査)

などの検査を行っています。

あらゆる分野の検査を担当する臨床検査技師は検査のスペシャリストであると言えます。そんな検査のプロである臨床検査技師は一般の人にあまり知られていないマイナーな職業なのでここからは臨床検査技師になるまでの道筋をたどっていきます。 

どうすれば臨床検査技師になれるのか

臨床検査技師は国家資格であるため、臨床検査技師になるには臨床検査技師国家試験に合格しなければなりません。その試験は誰でも受けられるというわけではなくいくつかの条件があります。詳しくは厚生労働省のHPに載っていますが簡単に言うと

厚生労働省HP

https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/rinshoukensagishi/

  1. 大学、文部科学大臣が指定した学校か都道府県知事がしていした臨床検査技師養成所で指定された教育課程を修め、卒業した人(もしくは卒業見込)
  2. 医師、歯科医師の免許を受けた人
  3. 獣医師、薬剤師(獣医学、薬学の卒業見込者も可)で臨床検査の過程を修めた人

が受験資格を持っていますが受験者のほぼ100%の人が1.の条件に当てはまる人です。

指定された学校には大学や専門学校がありおもに医療系の大学や専門学校になります。学部だと医療福祉学部や保健医療学部、医療技術学部などがありそのなかで臨床検査学科や医学検査学科、医療検査学科と細分化されます。大学によっては医学部、看護学部などと併設されている大学も多いです。臨床検査技師になる人のほとんどを占めるであろう1.の条件に当てはまる人がどうやって臨床検査技師になっていくのか入学してから卒業までの流れとともに見ていきます。

学年前期後期
1年生主に座学(外国語や生物学など一般教養などもある)基礎座学(臨床検査に関連するものが多くなる)
2年生基礎座学と学内実習(基礎的な内容)応用座学と学内実習(応用的な内容)
3年生学内実習(応用的な内容)臨地実習(病院などの医療機関で約2ヶ月)
4年生臨地実習(3年後期か4年前期のどちらかが多い)
卒業研究や国家試験対策
卒業試験(12月や1月ごろ)
国家試験(2月中旬)
※4年制大学でのカリキュラム(イメージ)
学年前期後期
1年生座学(外国語や生物学など一般教養などもある)座学と学内実習
2年生座学と学内実習学内実習中心(応用的な内容)
3年生臨地実習
国家試験対策
卒業試験(12月や1月ごろ)
国家試験(2月中旬)
※3年制専門学校でのカリキュラム(イメージ)

1.の条件に当てはまる人は大学や専門学校に入学した時点で最初から臨床検査技師になるためのカリキュラムが組まれています。必要な過程が決まっているので必修科目(必ず取らなくてはいけない単位)がとても多く、学科のほとんどの人が同じ講義を受けることになります。また4年生になれば誰でも国家試験を受けられるわけではありません。1.の条件にも書いてありますが指定された教育課程を修めたもの(もしくは卒業見込)に受験資格が与えられるため、卒業試験を無事にパスできなければ卒業見込者扱いではないため受験資格が与えられません。大学や専門学校の広告で見る国家試験合格率98%や100%などといった広告のは入学後の定期試験、進級、卒業試験を乗り越えた人の合格率であって入学した人全員が無事に臨床検査技師になれるわけではないというのが現実です。(一般の大学の就職率100%=ただし留年、就職を希望しない人、家事手伝いを除くみたいなものでしょうか?)そして無事に国家試験に合格した臨床検査技師の卵たちはどういったところに就職するのでしょうか。

臨床検査技師の就職先とは?

臨床検査技師の主な就職先はやはり病院だと思います。大学の附属病院や総合病院などの大きな病院から診療所やクリニック、検診センターへの就職が王道というか多いです。ほかにも臨床検査センター(検査のみを行う施設)、血液センター(輸血関係)、医療機器、製薬メーカー(企業)、CRC(治験コーディネーター)など様々な就職先があります。もちろん大学院や研究所などといった機関で研究者になったり先生を目指したりという道もあります。また、臨床検査学科だから絶対に臨床検査技師として働かなくては行けないというわけではないため一般企業に就職するのも自由です。(ただ、卒業するために必要な単位が決まっているので卒業試験には合格する必要がありますが…)

最後に

いかがでしたか?

臨床検査技師、臨床検査に興味をもってくれているひとの手助けになれば幸いです。また、少しでも 臨床検査について興味を持ってくれれば嬉しいです。

自分も検査技師として働く前の学生の頃はネットやスマホあれどあまり情報がないので調べるのがすごく大変だったので誰かの役に立っていることを願います。

ではまた!

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